聖学院大学 創立20周年記念 2008/12
2008/12/17 講演会「ウィーン音楽紀行」
[創立記念行事紹介] 投稿日時:2008/12/10(水) 13:42
■ 日時 2008年12月17日(水)11:20~12:30
■ 場所 聖学院大学チャペル
■ 講演者
東島 誠氏(聖学院大学人文学部日本文化学科准教授)
1967年大阪生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。主著は『公共圏の歴史的創造─江湖の思想へ』(東京大学出版会、2000年)、「日本型『オオヤケ』の超え方」(『RATIO』01、講談社、2006年)など。歴史学・社会学・政治学・哲学ほか、ジャンルを超えた研究は、2007年5月19日付『朝日新聞』夕刊「テークオフ」で取り上げられた。もともとの出発点は中世史であり、最近も「『日本の中世』像を更新する」(『RATIO』04、講談社、2007年)に登場。その一方で音楽についての発言も多く、「異他なるジャン・シベリウス」(東京交響楽団第438回定期演奏会プログラム、1997年)、「音楽と公共世界、否定と継承」(『公共哲学15 文化と芸能から考える公共性』東京大学出版会、2004年)などがある。
和田 光司氏(聖学院大学人文学部欧米文化学科准教授)
1958年広島県生まれ、早稲田大学大学院西洋史専攻博士課程修了、1989年より1996年までフランス留学(リモージュ大学、パリ高等研究院)。専門はフランス近世史、宗教改革史。主著、Coexister dans intole'rance-l'Edit de Nantes (1998) ,Gene`ve,1998(共著)、「信仰と他者-寛容と不寛容のヨーロッパ宗教社会史」(東京大学出版会、2006年、共著)他。広くヨーロッパ諸地域の文化に関心を持ち、旅行を趣味とする。
■ 講演内容
ウィーンはかつてのハプスブルク家の都であり、音楽の街としても名高いです。この名声を築き上げたのは、モーツァルト、ベートーヴェン等々の錚々たる音楽家たちですが、国立歌劇場やウィーン・フィルなどが果たした役割も大きいものです。 本講演では、ヨーロッパ史を専門とする和田光司准教授が、ウィーンの歴史的背景や音楽文化などを中心に、自身の体験も交えつつウィーンの街の魅力を語り、レコードコレクターで音楽評論もされている東島誠准教授がかつての名演奏・名録音の紹介も交えつつウィーン・フィルの歴史や魅力について語っていきます。
【入場無料・申込不要】
2008/12/05演奏会報告 天満敦子氏クリスマスコンサート
[創立記念行事紹介] 投稿日時:2008/12/06(土) 17:52
12月5日(土)午後6時より、チャペルにて、天満敦子氏ヴァイオリン・クリスマスコンサートが行われました。
天満敦子氏のコンサートは、2005年に引き続き2回目。
前半は、タイスの瞑想曲、トロメライ、アメイジング・グレイスなど、聴衆になじみの深い曲目がラインナップ。
子ども連れでいらしている方も多く、テンポのよい曲は、リズムを取りながら楽しみながら聴く方も見られました。
後半は、バッハ「シャコンヌ」、和田薫「ヴァイオリンのための譚歌」、そしてポルムべスク「望郷のバラード」で、天満氏の奏でる、卓越したテクニックと豊かな表現力に、聴衆一同酔いしれました。
コンサート開始直前までの大雨にもかかわらず、地域住民の方をはじめ、900名を超える大勢の方々が来場されました。
(写真)大勢の方々が来場されコンサート(左)
演奏の間の、天満さんの楽しいトークに会場が沸きました(右)
2008/12/10 講演会「魂のことをする」
[創立記念行事紹介] 投稿日時:2008/12/04(木) 13:18
■ 日時 2008年12月10日(水)11:00~12:30
■ 場所 聖学院大学チャペル
■ 講演者
片柳 榮一氏(聖学院大学大学院教授)
1944年生、文学博士(京都大学)京都大学名誉教授、聖学院大学大学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科教授。
主著『初期アウグスティヌス哲学の生成』創文社、1995年。「時間空間論の展開」(新岩波講座『哲学』第7巻)、1994年。
■ 講演内容
さまざまな宗教において、人々が「魂」という言葉で語ろうとしてきたことを、現代の状況の中で理解し直し、現代における人間の宗教性を捉えなおすことが本講演の主旨です。タイトルの「魂のことをする」という言葉は、作家の大江健三郎が、オウム真理教の問題があった後、その問題を踏まえて書いた「宙返り」という小説の最後に主人公に言わせた言葉です。この問題は現代人、現代の日本人の共通の問題であり、アウグスティヌスを中心としてキリスト教思想を専門的に研究しておられる片柳榮一先生にこの問題を論じていただきます。
【入場無料・申込不要】
2008/12/03講演会報告 加藤紘一氏「時代の変革期に直面する日本」
[聖学院大学(政治経済学科)] 投稿日時:2008/12/03(水) 18:06
12月3日、政治経済学部主催の加藤紘一氏(衆議院議員・本学総合研究所客員教授)講演会が、11時10分からチャペルで開かれました。
「時代の変革期に直面する日本」というテーマで1時間にわたり、学生と近隣から集まった市民に語りかけられました。
加藤紘一氏は今年から本学総合研究所の客員教授に就任されましたが、今回の講演が初講義になります。
まず加藤氏は、現在の政治状況を、支持率というメディアの世論調査に動かされる、という問題を指摘しながら、素朴な疑問や幼児のような素直さで問題を見ていくことが大切で、少しずつそうした国民が出てきていると分析しました。
組織の悪口をいいながら人気を取るということをやり、さらに郵政民営化などの改革で大都市と地方、正社員と派遣社員の格差を広げた問題など、小泉改革の意味をもう一度考えなおす時にあると指摘。
そのうえで、学生に、小泉改革の原点になっている、ミルトン・フリードマンの新自由主義経済学が、いかにイギリスのサッチャーの政策に取り入れられ、それがマネー至上主義になり、今回の金融危機につながったかのプロセスを学んでみることを勧めました。
マネー至上主義が、教育に取り入れられた教育バウチャーのような考え方、日本の学校選択制のような制度にも問題を起こしていることも指摘されました。
戦後の自民党の果たした役割と最近の大衆に迎合するポピュリズムへの変質を指摘した上で、大平元首相は消費税を導入することで命を落とし、竹下元首相は消費税の導入をした上で責任を取り引退した、このように自民党は責任を果たしてきたが、小泉元首相も消費税のアップをやるべきであった、とはっきりと述べられました。
「1908年夏目漱石は『三四郎』の冒頭で、
『西洋のまねでいいのか、こんなことをやっていたら日本は潰れる』と書いている。
日露戦争の勝利に浮かれて、諸外国を低く見るような気分になった時に警告をした。
それが100年後の今、私たちへの問いかけとなっている」
と日本のあり方にも言及しました。
最後に日本は明治維新、国家神道以前の自然の中に神がいて調和を大切にするという姿に原点があると述べられ、理想の地方都市像を紹介されました。
「人口20万人くらいの地方都市を全国にいくつも作る。
たとえば個人でいえば、高校は地元の高校を出て、大学は仙台、東京、大阪などの大学にいき、就職は地方に研究所があってそこに勤める。そこで家庭を持ち、週末にはスポーツの指導をし、町でのお祭りに参加していく。また数年に一回は国際会議に出て発表をし、最新の研究を学んでくるという生活。
その都市は10%は世界市場に通用する製品を生産し、30%全国に通用する農産物や製品や作り、残りの人は地域でのサービスや消費されるものを作るという形の地方都市」
というものです。
最後に会場から質疑応答に答えて12時20分に終了。講演は、学生のほか、外部の来場者だけでも約150名と、非常に多く、政治経済学部主催の締めの講演として、ふさわしく盛会となりました。
なお、昨年、本学で姜尚中氏と一緒に講演されたものは「創造するリベラル」(新泉社刊)として出版されています。
▼写真左:講演後、質問に答える加藤氏
写真右:『創造するリベラル』が同時販売されました
■「時代の変革期に直面する日本」(講演会お知らせ)
※12/12:写真を変更・追加しました (写真撮影:石原康男)
2008/10/22講演会報告 山形和美氏講演
[創立記念行事紹介] 投稿日時:2008/12/02(火) 11:39
10月22日(水)11時よりチャペルにて、創立20周年記念講演会の一環で、日本文化学科主催の講演会がありました。
講演者は、聖学院大学大学院教授の山形和美先生で、
タイトルは「キリスト教と文学-西洋と日本 二つの融合を求めて」。
西洋、日本文学より具体例をとりあげ、キリスト教と文学の関係を詳しく講演してくださいました。
■参考
山形和美氏プロフィール:
文学博士 聖学院教授、筑波大学名誉教授、日本キリスト教文学会会長
イギリス・フランス・日本などにおける<文学と思想とキリスト教>の関係を哲理的にまた根源的に捉えて注目され、内外の批評界に独自の地歩を築いている。
著書等:
「岩のつぶやき-現代キリスト教徒文学論」(笠間書院)
「メドウ-サからムーサへ-文学批評の布置」(彩流社)
「グレアム・グリーンの文学界」(研究社出版)
「言語空間の崇高性-ロゴスへの意志」(彩流社)
「キリスト教事典」(共著 岩波書店)
「山形和美全集 全14巻」 など多数。
2008年12月
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