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聖学院 On-line Information

11/30人間福祉学科講演会 いせひでこ氏「いのちをみつめて」報告 [聖学院大学(人間福祉学科)]

投稿日時:2011/12/09(金) 17:40

11月30日(水)、人間福祉学科講演会「いのちをみつめて」が開催されました。

講演者には、絵本『ルリユールおじさん』(第38回講談社出版文化賞絵本賞)などの作品がある絵本作家いせひでこ氏をお招き、ご自身の体験や絵本作りについて話されました。

学生や一般の方を含めた約80人が参加し、いせひでこ氏の絵本を見ながら、講演に耳を傾けました。



       いせひでこ氏講演会の様子

自分が経験した物事から絵本を作っていくといういせ氏は、旅の中から生まれた絵本『ルリユールおじさん』、自身が実際にひまわりを育てた体験を反映した『大きな木のような人』、杉並区の総ヒノキで作られた彫刻屋台(山車)が出るお祭りの様子を描いた『まつり』といった数々の自作品を紹介。

特に、絵本『まつり』では、彫刻屋台の制作現場を取材し、手から手へ伝えられる大工の営みに驚かれたそうです。
また、取材していく中で出会った神社のご神木に、こどもたちが木登りしている様子をみて、木は崇め奉るだけでなく、人間に近しいものだと感銘を受けたと語られました。

東日本大震災と福島原発を機に緊急出版した最新作『木の赤ちゃんズ』については、いち早く届けたいという思いから、早急に色付けををしないデッサンだけの下書きをし、被災地まで絵本を携えていったことを話されました。

この『木の赤ちゃんズ』をモチーフとしたメッセージカードを被災地である飯舘村のこどもたちに渡したことも話され、「伝えることは与えるだけでなく、気持ちをわたすもの」と語られました。

いせ氏は最後に、木と人のかかわりの中で教えてもらったこと、気がついたことをこれからも絵本にしていきたい、と締めくくりました。


参加者からの感想を一部ご紹介いたします。

・絵本からは愛情や命の尊さ、私たちが生きる上で重要なことを考えさせられ、色々なことを感じました。絵本からはこんなに多くのものを感じることがあり、学ぶことがあるんだと気づきました。

・絵本を見る機会は日ごろほとんどないので、絵本から一体何が伝わるのだろうと疑問を抱きました。しかし、いせひでこさん曰く、絵本にはそれを描く人の気持ちがこもっていて、それを読んだ人に気持ちを伝えることができるそうです。私も久しぶりに家にある絵本を昔これを見て、自分がどんな気持ちで何を感じていたか考えてみたくなりました。

・わたしは気が付いた時には、「待つ」ということができなくなっていました。意識をすれば、変われるのかもしれないのに、どうしてこんなに変われないのかなと、心が窮屈になる一方でした。いせひでこさんの言葉や絵本を見て、また待てなくなったら、絵本を開こうと元気が出ました。ありがとうございました。

・植物の話を通して、命を育てることの難しさや育てるということに関して話してもらい、とてもためになった。怒るのは簡単で、気づかせるのは難しい。しかし、気づかせることが大切だと学んだ。

・絵本といものが、絵が上手でできるものではなく、作家の人生を現すものであるということを、しみじみ教えていただきました。




いせひでこ氏講演会「いのちをみつめて」 講演概要は こちら から

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