聖学院 On-line Information 2013/6/11
【報告】2013/6/5講演会「子供の貧困から日本社会を考える」
[聖学院大学] 投稿日時:2013/06/11(火) 17:26
6/5(水)アセンブリアワーの時間に、講師に青砥恭 NPO法人さいたまユースサポートネット代表理事をお迎えして、コミュニティ政策学科・児童学科・こども心理学科共催 講演会「子供の貧困から日本社会を考える」が行なわれました。(参加者数:学生、教員あわせて108名)
青砥恭氏による講演「子供の貧困から日本社会を考える」
青砥先生は長年にわたって埼玉県立高校教諭を務められた後、埼玉大学、明治大学の講師を歴任されています。
また、2000年以降、地域で若者支援活動を続けておられますが、2011年にはNPO法人さいたまユースサポートネットを設立されて、居場所のない若者の支援をしておられます。
最初に、さいたまユースに集う子ども・若者たちの多くは、複合的で重層的なリスクを抱えていることを説明されました。
そのリスクとは、(1)本人のリスク(障がい、疾病など)、(2)家族(障がい、貧困、外国語しか話せない親、家族崩壊、虐待、DV、ネグレクトなど)、(3)学校(いじめ、不登校、低学力、子ども同士の関係など)を指します。
これらのリスクが重なり合い、本人の学力の低さにつながっていることを指摘されました。
次に、このような困難を抱える子ども・若者たちを支援するために、さいたまユースが実施している様々な取り組みが紹介されました。例えば、学習支援教室(さいたま市の事業)です。
学校にはなじめない生徒でも、支援教室のボランティアや学習支援員には「何でも話を聞いてもらえる」と感じています。「学びを通じた居場所づくり」になっているのです。
また、さいたまユースの運営は、ボランティア学生たちの自主性や「気づき」を大きく尊重しているとのことでした。
格差が下層に位置づけられた子ども・若者に不安と絶望を与え、能力形成の機会を奪っていること、また、貧困は人生の可能性のはく奪をもたらし、社会の中で孤立した子ども・若者を生み出していることを指摘されました。
日本社会の抱える深刻な問題を直視することの重要性を強調されました。
▼出席した学生のレポートを、一部ご紹介します。
・ なぜ貧困世帯で勉学のままならない子どもが育つことになるのか、よく分った。貧困で傷ついた子どもたちに居場所を与え、勉学、さらには前向きに生きるための意欲を生み出す支援が重要である。
・ 学習支援教室に私と同年代の学生ボランティアが参加して活躍していることに驚きました。見習いたい気持ちになりました。
・ 問題を抱えていない人も格差や貧困で苦しむ人のことを考え、行動することで問題を減らし、より良い日本社会を作ることができるのだと強く感じた。
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