聖学院 On-line Information 2013/11/27
【報告】2013/11/20 元外務省の佐藤優氏、姜尚中全学教授の講演
[聖学院大学(政治経済学科)] 投稿日時:2013/11/27(水) 10:40
11月20日、聖学院大学のアセンブリアワーの時間に、元外務省の佐藤優氏と本学の姜尚中全学教授による講演「ヒューマニズムとは何か?帝国主義化する国際環境とキリスト教の可能性」がチャペルにて行われました。
この講演は、政治経済学科主催で、学生を対象に行われたものでしたが、地域住民の方々にも公開され、約330名の参加者がありました。
冒頭、佐藤氏が1時間ほど講演。近代ヒューマニズムが持つ問題を前提として、日本を含む、現代の国際情勢を、社会と国家の関係の問題、新帝国主義、キリスト教神学の観点など、複数の局面から、姜尚中先生の『心』やニーバー関連の神学書をはじめ、数多くの参考書籍の紹介をしながら語られました。
死者との連帯を語った場面では、「我々は必ず死ぬ」と前置きをし、その死者たちを味方につけるイスラム原理主義の自爆テロなどに言及。こうした行為は人の命を軽く見る行いだとして、国家と死者の問題を結びつけることは危険であると語られました。
特に、日本については、今問題となっている、特定機密保護法案より国家安全保障会議、いわゆる日本版NSCの法案が成立することにより、日本がより積極的に戦争に加わっていく危険性を示唆されました。
また、佐藤氏は、日本人が国際社会における自身の存在の大きさを過少評価せずに隣国と接すること、過去の過ちから学ぶことの大切さを主張し、危うい国際情勢の中での、キリスト教の可能性や希望を聴衆に問いかけました。
佐藤氏の講演を受けて、姜尚中全学教授は総力戦の爆撃の悲惨さや、新・帝国主義に言及。また、3.11では人と人が支え合い大きな役割を果たしたことから、コミュニティや社会の力について説明、国家と社会の関係についてもコメントされました。阿久戸学長は、過去について怨念でなく感謝の念を持つことが将来の希望となる等のコメントがありました。
また講演後のエルピスホールでは、講演者と、主に政治経済学部の学生が昼食をしながら、同じテーマで白熱した質疑応答が続き、刺激的な午後のひとときとなりました。
◆一般参加者からの感想より
この講演は、政治経済学科主催で、学生を対象に行われたものでしたが、地域住民の方々にも公開され、約330名の参加者がありました。
冒頭、佐藤氏が1時間ほど講演。近代ヒューマニズムが持つ問題を前提として、日本を含む、現代の国際情勢を、社会と国家の関係の問題、新帝国主義、キリスト教神学の観点など、複数の局面から、姜尚中先生の『心』やニーバー関連の神学書をはじめ、数多くの参考書籍の紹介をしながら語られました。
死者との連帯を語った場面では、「我々は必ず死ぬ」と前置きをし、その死者たちを味方につけるイスラム原理主義の自爆テロなどに言及。こうした行為は人の命を軽く見る行いだとして、国家と死者の問題を結びつけることは危険であると語られました。
特に、日本については、今問題となっている、特定機密保護法案より国家安全保障会議、いわゆる日本版NSCの法案が成立することにより、日本がより積極的に戦争に加わっていく危険性を示唆されました。
また、佐藤氏は、日本人が国際社会における自身の存在の大きさを過少評価せずに隣国と接すること、過去の過ちから学ぶことの大切さを主張し、危うい国際情勢の中での、キリスト教の可能性や希望を聴衆に問いかけました。
佐藤氏の講演を受けて、姜尚中全学教授は総力戦の爆撃の悲惨さや、新・帝国主義に言及。また、3.11では人と人が支え合い大きな役割を果たしたことから、コミュニティや社会の力について説明、国家と社会の関係についてもコメントされました。阿久戸学長は、過去について怨念でなく感謝の念を持つことが将来の希望となる等のコメントがありました。
また講演後のエルピスホールでは、講演者と、主に政治経済学部の学生が昼食をしながら、同じテーマで白熱した質疑応答が続き、刺激的な午後のひとときとなりました。
◆一般参加者からの感想より
- 佐藤優さんが率直にお話くださった今の日本が置かれている政治状況が切実に迫ってきました。戦争への道を歩みはじめている危機感が身に沁みました。なかなか触れにくい問題に正面から話して下さったことに感謝します。
- 多面的に物事をとらえる事の大切さを改めて痛感しました。不勉強で難しい事が多々ありましたが、是非「心」と佐藤さんの本を読んでみたいと思います。大学生の息子がおりますが、彼にも聞かせてあげたかったです。
- 良い内容だった。コメンテーターのお二人の質問によって、よりテーマの輪郭が明確になった。色々と印象深いが、知らないことの罪を感じた。
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