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聖学院 On-line Information

2012/11/28 講演会「建築に携わる者によるNGO活動」報告 [聖学院大学]

投稿日時:2012/11/30(金) 15:18

11月28日(水)、人間福祉学部、コミュニティ政策学科などの学生が出席し、講演会「建築に携わる者によるNGO活動-ネパール・スクールプロジェクト」が聖学院大学の教授会室で行われました。

130人以上の学生が出席したこの講演会は、赤尾建蔵氏(竹中大工道具館館長)をお招きして、ネパールのヒマラヤ山麓にある、フィリム村に学校を建てるまでの困難と過程を語っていただきました。


                            
                                       赤尾氏による講演の様子

ネパールのフィリム村は、ヒマラヤ山麓の標高1600メートルに位置し、車が通ることのできる大きな道路のある村まで歩いて4日かかります。

赤尾氏は、大手ゼネコンの竹中工務店設計部有志の仲間と休暇を利用し、自費でこの村の調査を始めます。
2年間、9回に渡る実地調査や、現地の人々の協力を得ながら、設計図を完成させるも、資金面での問題が立ちはだかった、と赤尾氏は当時を振り返りました。


しかしながら、草の根基金の協力やAAF(募金活動)を立ち上げ、フィリム村周辺の村からの寄付や、学校建設に共感した、日本人で初めてエベレスト登頂を成功させた登山家 松浦輝夫さんの協力を得て、資金は徐々に増えていきました。

また、赤尾氏はネパールで古くから作られている「パシュミナ」という伝統的なカシミヤ素材の織物に注目。
パシュミナは、日本では一枚一万円で売れる高級ストール・ショールであることを知り、現地の人々に織ってもらったパシュミナを売って、資金の一部としたことを話されました。


赤尾氏は最後に、海外・国内を問わず、どんな形でも困っている人がいたら助けてあげてほしい、と語り、ボランティア参加への大切さを話されました。

 

■学生の感想を一部ご紹介いたします
・ネパールのフィリム村は学校が少なく、子ども達は勉強をしたくても出来ない。
大人も言葉や文字が書けないので、出来る仕事が限られている。教育を受けられない子どもがネパールに多いと感じた。
また、国際ボランティア活動を継続するうえで必要なものは、教員の数を増やすことが大切だと思った。

・使う人達のことをしっかり考え、設計の際には釘一本まで数えることまでこだわったことは、とてもすごいことだと思った。
赤尾さんが学校を建てなければ、ネパールのこの地域の子ども達はほとんど教育を受けないままに大人になり、限られた職にしか就けなかった。学校を作ることにより、子ども達がしっかりと教育できるようになったことが印象的だった。

・何日も歩いて学校へ来ている子どもがおり、その登下校の道は濁流が流れるとても危険な道であったということが印象的でした。
ネパールでは、学校の建設費は地域住民が負担するということで、それが原因で子どもを学校に行かせず、働かせて勉強をしないで働いて大人になっていくため、親と同じ道を歩むことしか出来ず、自分の夢への可能性をつぶしてしまっていると思った。


■参考

「建築に携わる者によるNGO活動」講演会チラシはこちら>>

コミュニティ政策学科ホームページはこちら>>

児童学科ホームページはこちら>>

こども心理学科ホームページはこちら>>

人間福祉学科ホームページはこちら>>







 

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