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聖学院 On-line Information

2010/10/16 第6回ピア・スーパービジョン報告 [聖学院大学(人間福祉学科)]

投稿日時:2010/10/27(水) 15:18

第6回ピア・スーパービジョン 報告


 

10月16日(土)、聖学院大学において、第6回ピア・スーパービジョン(以下「PSV」と略)が開かれた。


言うまでもなく、いま、社会福祉の現場は厳しい状況に置かれている。
社会経済状況の悪化を反映し、格差、貧困が蔓延し、心身の健康を損なう人々が増え、業務量が増大し、担い手の負担も増大している。

そこで、今回も、人間福祉学科の卒業生(聖学院ウェルフェアネット)が中心となり、在校生などを交え、各福祉分野に分かれ、仕事の現状、悩み、夢などの意見交換を行なった。
参加者数は、卒業生を中心に、在学生、オープンキャンパスに来校された方々、あせて49人となった。


もともと、PSV事業は、人間福祉学科が 総合研究所に事務所を置き実施している、「スーパービジョンセンター(以下(SVC)と略)の事業の一つである。
そのねらいは、社会福祉領域で働いている卒業生及び関係の社会人をフォローすることである(SVC事業については後段(参考)を参照されたい)。


今回は2部に分かれ、まず第一部では「ソーシャルワーカーとしての歩み」という主題のもと、2人の本学科非常勤講師(同時にSVCスーパーバイザー)のおはなしをうかがった。

はじめに行實志都子 文京学院大学准教授より「ピアヘルパー制度創設と今」と題して、心の病を経験した人が、精神障がい者のためのホームヘルパーとして働くための制度づくり(大阪)などのお話をうかがった。
先生は民間精神科病院をふりだしに、大阪府の職員として活躍され、全国のモデルとなる「ピアヘルパー制度」を創設されたのである。優しさと凛としたお人柄がにじみでたお話であった。
 


行實志都子 文京学院大学准教授
 

ついで、廣江仁 (社福)養和会指定障がい者福祉サービス事業所F&Y境港所長から、「病院、作業所、そして今」と題し、障がい者の就労支援や、いま、境港市で取り組んでいる就労継続支援事業についてお話しいただいた。


先生は、はじめに、参加者にお土産のお菓子を配られ、昨年の授業時の学生(3年生)とのやりとりを楽しそうに振り返られた。
お土産は、NHKの「ゲゲゲの女房」で有名になった郷里からもてこられたものだった。

ついで、学生時代の実習のお話に移り、当時、助川先生が実習担当者だったとか、「熱心にイギリスもいろいろ課題を抱えているよ、とお話をしてくれた」などと語られ、会場が沸いた。
お話の中心は、SWとしての歩み、特に三鷹市内に開設された「Mew」での就労援助に取り組んだことを淡々と、ユーモアも交えてお話された。

こころの病におちいった方々に対し、病人扱いではなく「生活の保持」を大切にし続けたというお話が大変印象的であった。


廣江仁 (社福)養和会指定障がい者福祉サービス事業所F&Y境港所長


第二部では、まず、助川人間福祉学科長から、「ピア・スーパービジョンとは何か」という短いレクチャーがあった。
「自分の実践経験を宝物にし、仲間との交流により、社会福祉実践の意義を再確認してほしい」といった話であった。

続いて、3つのグループに別れ、在校生が先輩達をぐるりと取り囲む形で、発表や意見交換が行われた。今回は卒業生達の経験交流や情報交換と同時に、特に助川、相川ゼミの全学生に呼びかけ、卒業生との交流を設定した。

在校生との交流では「社会福祉従事者としての生きがい」「苦労していること」「ストレス解決法」「社会福祉の将来」などに関する質疑がなされ、初々しい質問に泣き笑い、盛り上がり、時間が足りないほどであった。
最後に、助川先生からコメントと熱い励ましのメッセージをいただいた。

なお、次回、第7回ピア・スーパービジョンは2011年2月26日(土)13時30分より新都心ビジネス交流プラザ(埼京線・北与野)にて開催予定である。


      スーパービジョンの様子



※ピア・スーパービジョン参考 (こちら↓をクリック)

社会福祉とは何か
相談業務とは何か
スーパービジョンセンターとその事業




さんこうさ 

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