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ブログ 2012/5/15

【報告】「桜プロジェクト」参加学生の感想 ~その3[聖学院 On-line Information]

投稿日時:2012/05/15(火) 12:34

聖学院大学復興支援ボランティアチーム
被災地支援「桜の鉢植え」を釜石市に届ける「桜プロジェクト」(報告 ~その3) (4/21~22)


参加学生の感想文、第3弾が届きましたのでご紹介します。(順不同/文末不統一)


◇ 政治経済学部政治経済学科3年  
【参加した理由(経緯)】
このプロジェクトは2011年12月に一人の学生が「復興のシンボルとなるものを送りたい」ということから始まった。
当初の段階では桜の植樹という形で計画し、現地の方もそれに賛同してくれた。だが仮設住宅はあくまで仮の住まいであり、いつかは出ていくものだ。さらに復興計画も思うように進んでいないということも重なってプロジェクトは難しい状況となった。

そこに「桜の鉢植え」という話が飛び込んできた。
鉢植えならば、手軽に育てられるうえ仮設住宅をでて自分の土地に戻った時も持っていける。「これはいける!」そう思った。だが同時に「これで本当に喜んでもらえるのか?」という不安もあった。そんな不安を抱えつつ当日を迎えた。


【感想】
生き残った人たちは「家」を失った。「家」HOMEというのは建物という物質的なものだけではない。そこには居場所があり、家族があり、繋がりがあり、思い出があり、先祖からの魂が詰まっている。それを失うということはどういうことなのか。人には居場所が必要だ。帰れる場所が必要だ。そんなことを考えつつ、宝来館に帰館しさくら教室&配布にとりかかった。
こちらでは行く前の不安が一気に吹き飛ばされた。

 

笑顔で持って帰ってくれた。以前、現地視察に行った際にお会いした人もいて、自分たちのことを覚えていてくれたらしく良くしてくれた。これがあるからボランティアをやめられない。
 

ここの人たちはあれほどの津波を経験して、それでも震災を乗り越えて海とともに生きていこうとしている。私たちも共に生きていきたいと思う。
 

仮設住宅では住民のみなさんが待っていてくれた。心待ちにしていてくれたようで、とても喜んでもらえた。
 

仮設住宅の中で予約しなくても貰えるという情報が回ってしまったらしく、結果受け取れると思っていたのに受け取れないという人が生じてしまった。物質的支援の問題点が浮き彫りとなった。

 
【今後】
今回の訪問では色々と課題が見えた。
ひとつは物質的な支援では受け取れる人と受け取れない人がどうしても生じてしまい、取り残されたという感覚を強めてしまうのではないかということ。
二つは孤立・取り残されたと感じている人をどう繋げていくかということ。
3つに与える・与えられるの関係の限界。
これらを今後の活動で考えていければと思う。

 

◆ 人間福祉学部こども心理学科1年  
【参加した理由】
去年の地震以来ずっと被災地の方々の力になりたいと思っていました。しかしちょうど受験と重なってしまいなかなか行動に移せないでいました。なので、大学では絶対に被災地へボランティアに行きたいと考えていました。
被災地に桜を届けるという他では見ないような内容に惹かれ、参加することを決めました。


【感想】
テレビで見るのと実際に自分の目で見るのでは感じ方も異なり、自然の怖さを実感しました。

(鉢植えの作業に祖母と一緒に来た)Yちゃんは震災後食べ物の嘔吐を繰り返し医者に見てもらったところPTSDということが発覚したということでした。
私は桜プロジェクトの前日にちょうど金谷先生の授業でPTSDを習ったばかりでした。でも、まさか今目の前にいるYちゃんがPTSDにかかっているかもしれないなんて思ってもいませんでした。頭が真っ白になり思わずショックで泣いてしまいました。泣いてはいけないと思い我慢しようと思いましたが、自分の今までの甘さとそれに比べてこんなに小さい子が苦しんで頑張っていたのかと思うと涙が止まりませんでした。
その後初めてYちゃんが私に触れてくれました。泣かないでというように私の頬をなでてくれて、心が温かくなりました。Yちゃんが触れてくれたことで体が触れ合うだけでなくそのとき心も触れ合えた気がしました。


(宝来館の)女将さんを始め、釜石市の方々の優しさ、他人を思いやれる気持ち、そして優しさの中にある強さは今の私に気付かせてくれたものがありました。
今回のボランティアでは被災地の方々との交流により自分のこれからの課題を見つけることができ自分自身を振り返る良いきっかけになりました。


【今後】
周りへの感謝の思いを忘れず現状に満足しないで夢に向かって頑張ろうと強く思いました。

 


 ◇ 人文学部欧米文化学科3年  
【参加した理由】
自身がSAVEに所属していることもありますがプロジェクトの発想にとても興味を惹かれたから。


復興のシンボルである桜を贈るまでは他団体でも同じ動きがありましたが、私たちが贈った桜は盆栽桜でした。非常に珍しいものを提案したなと感心しました。


【感想】
実際に現地へ行き人々の反応を見てみると、「この桜は可愛いし仮設住宅で飾るだけでなく、いつか自分の家をまた持てたら庭に植えたい。」「作る過程が楽しい。皆で集まって何かに取り組むことは久しぶり、ここで皆と知り合って会話をしながらこういうことができるのはいいね。」などの意見を頂くことができました。
とても嬉しかったし、継続してこのようなイベントを提案していくことで誰かの力になれるのだということも実感できました。


普段は仮設住宅に住む方々や自宅に住んでいるが、近所の知り合いがいなくなってしまった人、いろんな事情を抱えた人々に寄り添い、継続的に支援していく必要があるということが一番印象に残っています。


言い方は適切ではないかもしれないけれど「生きている人同士で築いたコミュニティ」を広げていく必要があると思います。
 

仮設住宅で桜を受け取ってくださった高齢者の方々のなかでも、おじいさん一人で来ているのを見て、津波で身内を失い男性であると特に周りのコミュニティに入っていきにくい等の問題が生じて、結果一人で孤立してしまうということ(が課題に残ると感じた)。


【今後】
自分が課題と感じたことを取り上げて、もっと現地の方々の声を聞いたり感じ取れれば良いと思います。


 

◆ 人間福祉学部人間福祉学科3年  
【参加した理由(経緯)】
私は、桜プロジェクトの代表としてこのプロジェクトに関わっていましたが、関わるうちに一人では実行に移せないということを改めて感じました。募金活動では、ボーイスカウトやReVAの皆さんの協力もあり予想を上回る募金額を集めることができました。


プロジェクトを発案した当初は桜の植樹を考えていましたが、復興計画の問題で植樹が難しいという問題に直面したときも盆栽桜の案を出して頂いたこともあり、様々な方々の支えがあったからこそ桜プロジェクトは実現したと強く感じました。


【感想】
盆栽桜を配布する前日まで、押し付けにならないのかが不安でした。(中略)震災から1年以上たった今でも自分の生活で精一杯な方々がたくさんいる中、(管理作業で)押し付けになることは避けたいと考えていました。しかし、当日盆栽桜を仮設住宅に配布しに行くと盆栽桜を希望する多くの住民たちが外で待っていてくれた光景を見たとき、私はこのプロジェクトを発案して本当に良かったと思えました。


宝来館の伊藤さんが「今回は大きな桜を植えるんじゃなくて盆栽桜をたくさんの人に配布することにして正解だった、一つの場所だとみんな見れないけど盆栽桜ならたくさんの人が春を感じて楽しめる」との話を頂き、また産経新聞には、「仮設住宅にいる間は鉢で楽しんでいつか自分の家に戻れたら、庭に植えるんだ」との記事が掲載されていて、本来の目的であった未来に向けた新たな出発というメッセージが伝わったと感じました。

 
【今後】
反省すべきこともあります。それは生活応援センターの方々に負担をかけてしまったことです。生活応援センターの方々は少人数で運営して通常業務をしている中で、現地のニーズ調査などを依頼してしまったことです。本来ボランティア活動というのは現地の方々に迷惑をかけないことだと思います。今後は、自分たち学生ができることできないことを把握して、少しでも負担をかけないように心がけたいと感じました。


今後のボランティア活動は、ボランティアのためのボランティア活動を行うこと。そして現地の調査で判明した、仮設住宅に住んでいる高齢者が出てきてくれるような支援を考えていくこと。そして継続して釜石市の復興に加担すること。


震災から時が止まった人たちの心を動かすような支援をこれからも考えて行きたい。



>>【報告】「桜プロジェクト」参加学生の感想 ~その1 はこちら
>>【報告】「桜プロジェクト」参加学生の感想 ~その2 はこちら

>>「桜プロジェクト」に関するプレスリリース記事はこちら

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