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聖学院 On-line Information

2012/11/7 アセンブリアワー人間福祉学部チャペルシアター『隣る人』報告 [聖学院大学]

投稿日時:2012/11/07(水) 15:43

 11月7日水曜日、兼ねてより報告していたドキュメンタリー映画『隣る人』の上映をアッセンブリアワーの時間帯、チャペルにて行いました。映画監督である刀川和也さんが児童養護施設「光の子どもの家」に八年間もの密着取材を行い完成させたこの映画は東京で五週間に及びロードショー公開されておりました。


 また聖学院大学の聖学院大学ボランティア・アソシエーション(通称グレイス)に所属する学生のボランティア活動先という縁から今回の上映会が行われ、多くの人間福祉学部の学生が参加しました。

         
                   映画「隣る人」の映像

 人は他人に認識されることによって関係性を築き、初めて人ととなりえます。この社会学的考えは子どもと親の関係にも当てはまると言えるでしょう。両親からの愛情を受けて育った子どもはそこで始めて人間関係を知り、外部の新しい集団の中へと入り込むのです。しかし、子どもたちの中には親の愛情を受けることが出来ない子も存在しています。


 「光の子どもの家」にいる子どもたちもそんな複雑な環境から離れて過ごす子どもたちです。それぞれの苦しみを抱えてこの児童養護施設に入る形となった子どもたちの中には人との関係性を築くことの出来なかった子たちが多くいます。映画内では、施設の職員と関係を築いていく様が描かれていました。何か特別なことを大人たちはしていたわけではありません。ただ子どもたちの傍にいて、彼らの言葉に耳を傾け、その存在を認識し続けていただけです。

         
 しかしながら、それこそが子どもたちの求めていたことであり、傍にいることがまさに心の救いとなり、また人間関係の構築に繋がっていくのでしょう。最後に大人たちに心を開いて笑顔を向ける子どもたちの姿が映され、映画は締めくくられました。


           
         子どもたちと施設の職員たちとの交流が映画では描かれました
         
 この映画を観る学生たちの多くはとても真剣な眼差しで画面の向こう側を見つめていました。ありのままの子どもたちを伝える映像では時折学生の合間では笑い声がこぼれるほどでした。しかし懸命に生きる子どもたちと、彼らとどのように接するかを必死に考え、そして接していく経緯を辿っていくうちに笑い声は聞こえなくなり、時には顔を伏せて黙考する学生もいました。
 

  • 参考:聖学院大学ボランティア・アソシエーション(通称グレイス)とは
様々なボランティア活動を通じて、大学の形成と地域・社会の活動に奉仕する、本学の建学の精神を担う重要な団体です。具体的には、様々な学校行事、また学内におけるキリスト教活動を背後から支えるボランティア活動、近隣のいくつかの施設でのボランティア活動、主にアジアの諸国に対するボランティア活動があります。こうした行動を通常は分担しながら、また時には全員が力を合わせて行っています。


児童学科ホームページはこちら>>

こども心理学科ホームページはこちら>>


人間福祉学科ホームページはこちら>>


『隣る人』公式ホームページはこちら>>

『隣る人』案内チラシはこちら>>

 

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