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聖学院大学 創立20周年記念

2008/10/16講演会報告 裁判員制度 [聖学院大学(政治経済学科)]

投稿日時:2008/10/20(月) 19:06

本日の政経講演会のテーマは「裁判員制度」。

 

石川裕一郎准教授の「憲法(人権)」の授業の場所を教室からチャペルに移し、外部に開かれた形で4限・5限の時間に行われました。
本日の講演者は、弁護士であり、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子氏と、弁護士であり、元最高検察庁検事の岩下肇氏。

 

 

 

 

 

伊藤和子氏は、被告人の弁護担当を担当された、名張毒ブドウ酒事件等を例に、刑事裁判に裁判員制度という「市民参加」のシステムを導入するにいたった背景をわかりやすく説明され、参考となるアメリカの陪審制度の傍聴経験なども紹介されました。そして、日本における従来の刑事裁判の問題や、裁判員制度の問題点もつまびらかにした上で、それでもなお、今の刑事裁判に風穴を開ける意味での裁判員制度の重要性を述べられました。

 

 

 

一方、岩下氏は、司法制度改革審議会意見や裁判員法を紹介され、裁判官の被告人に対する上から目線や、公務員の職務意識について、厳しい問題意識から発言されました。そして、一般市民の専門知識が不十分さ、過重な負担などから裁判員制度に疑問をもたれていること、現制度下でも可能な改革から着手することを力説されました。

 

 

 

 

休憩後、松村芳明・聖学院大学非常勤講師(憲法)を、交えてのパネルディスカッション、その後でフロアからの質疑応答が行われ、主に裁判員制度に対する懐疑的な意見に伊藤氏が答えるという形で進行しました。聴衆も非常に熱心で、30分ほど時間超過するほど熱の入った質疑応答が展開されました。

参加者:70名(外部13名)