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聖学院 On-line Information

2010/11/10  政治経済学科 秋の講演会「安楽死を問う」報告 [聖学院大学(政治経済学科)]

投稿日時:2010/11/10(水) 14:28

11月10日(水)、チャペルにて政治経済学科秋の講演会2010「安楽死を問う―現代日本で生きるために」と題した講演会が行われ、政治経済学科の学生や教員が耳を傾けました。
講演者には読売新聞社国際部デスクを務める三井美奈さんをお招きしました。


講演会では安楽死を合法化したオランダを中心に、安楽死について取り上げた文学作品や、宗教とのかかわり、現在起こっている論争等が話されました。


オランダでは安楽死によって年間約2000人が亡くなっています。また、リヴィング・ウィルと呼ばれる尊厳死の表明をした証明書を持つことが一般的となっており、16歳以上であれば自分の意思でこの証明書を持つことが許されている、といった国内事情について三井さんは紹介しました。


三井さんはこうした安楽死の法制化、社会への浸透が進んだ理由には、30年前からオランダ国内で安楽死に関する議論が行われてきたことと、オランダが持つ個人主義的な風潮が影響していることを示唆しました。
オランダは移民社会であり、様々な集団が古くから寄り集まってきたことで「他人のやり方を尊重し、迷惑をかけない限り自由を認める」という伝統的な考えがあります。


現在ヨーロッパでは、安楽死の可否や、合法化に伴って新たに発生した高齢者の死ぬ権利や、障害者の問題など、安楽死を通じて「よき死とは」といった論議が高まっています。


三井さんは安楽死問題を通じて、「よき死」とは何かオープンに考えられる社会、共に生きることのできる社会が作られていくことが大切だと語りました。


政治経済学科ホームページは コチラ から

三井美奈さんプロフィールは コチラ から

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